リバでもOK?



「ねぇ?なんでグレイが攻めなんだ?」
「は?」
ベッドに寝そべり雑誌に目を通していたグレイは、突然のロビンの言葉に目を丸くした。
「だから、グレイが攻めって誰が決めたの?」
何をそんな専門用語を使っているんだ?とグレイは思ったが、とりあえず口を挟まずにロビンの話に耳を傾ける。ロビンは相変わらず同じ質問をグレイに投げ掛けてきた。
「誰が決めたんだよ〜?」
「いや、別に誰が決めた訳でもないけど…。いきなりどうしたんだ?」
グレイは乾いた笑いを浮かべながら返答した。突然攻めがどっちだと聞かれた所で返す言葉も見つからない。とは言えグレイ的には自分が受けであるなんて端から思ってなどいないのだが。
「思ったんだけど…、俺一言も受けでいいなんて言ってないよね。」
「………確かに。」
グレイは考える素振りを見せながらロビンの問いに相づちを打つ。
「お互いに好きなんだから、俺が受けじゃなくてもいいんだよね?」
「………。」
グレイはロビンの問いに考えを巡らせた。
たしかに、大抵は攻男が無理矢理好きな男を抱くパターンが多い。受男の場合自分が受けである事を認めた上で誘うから誘い受けであって…。自分は抱かれたくても相手が抱いてくれるとは限らない、だったら抱いた方が良いか……!??グレイの頭の中は考えがまとまらなくなっていた。
「えーと?つまりはオマエも攻めになりたいと?」
グレイは率直にロビンに聞いた。ロビンはにっこりと微笑む。
「うん。」
(可愛ええの〜)
ロビンの天使の微笑みにグレイは一人にやついた。
「今度俺がグレイを抱いてもいい?」
にやけるグレイにロビンは問題発言を投げ掛けた。
「ん?俺が抱かれるのか?………ってそりゃ駄目だ。無理だ!!」
ムリムリムリムリ!グレイは目の回る勢いで首を横に振りまくった。一瞬目が回ってくらくらする。
「なんで?どうして?ずるい!!」
ロビンは口を膨らませた。グレイはその様子に『ぷんぷん!』と擬音を付けて勝手に萌えた。
「ずるかろうがなんだろうが駄目な物は駄目だ!」
「どうして?理由は?」
なかなか引き下がらないロビンにグレイは困ったようにため息をついた。
「あのな?攻めってことはオマエがリードするんだぞ?俺を気持ちよ〜くさせてくれないと攻めにはなれないんだ。」
「大丈夫。グレイの気持ちいい事いっぱいしてあげる!」
「マジかよ!!」
グレイは質問の事も忘れて思わず喜びを露わにした。
「え?じゃあ攻めでもいい?」
その言葉に、我を忘れてどこかに思考を飛ばしていたグレイが戻ってきた。
「駄目だ。」
「なんで〜?」
ロビンは口をへの時にした。そしてグレイは…(以下略)
「攻めはなぁ、体力がいるんだ。それに力もいる。」
グレイは自らの肉体美(?)を自慢げにロビンに見せつけた。ムキムキマッチョではないが結構自信あるんだぜ…。と、グレイは誰に言う訳でもなく一人自分に酔った。
そんなグレイの様子を横目でちらりと見てから、ロビンは自分の身体をじっと見つめる。グレイより一回りは細い腕。さらには男にしては色素の薄い肌。それでもロビンは自信ありげに微笑んだ。
「……。力は自信ないけど…体力ならあるよ!」(事実)
それじゃ駄目?とロビンの瞳がグレイに語りかける。
「超OK!」
グレイは再び質問の事を忘れていた。そのまま押し倒したい衝動に駆られるが、慌てて理性を呼び戻す。
「じゃ、早速グレイを抱いてあげる。」
ロビンは両腕を広げてグレイを向かえる。
「はやっ!!つーか俺ももう限界!!」
グレイの理性は遠くの山に飛んでいった。そのまま両手を広げるロビンを押し倒すと顔中に唇を落とす。
「ち…ちょっとぉ!俺が抱くんだってば…!!」
ロビンはグレイに押し倒された状態でさえ、自分が攻めである事を主張する。しかし、もちろんの事グレイにとっては聞く耳持たぬお話だった。
「そんなに攻めたいなら、今この状況から俺を押し倒して見ろよ。」
グレイは自信ありげににやりと口元に笑みを浮かべる。
「ほんとに?」
ロビンは嬉しそうに微笑む。そして早速グレイを押しのけようとその腕に力を込めるが、当然ながらグレイの胸はびくともしない。
「ねぇ?グレイ。ちょっと胸どかしてよ。」
「おいおい、もう降参か?」
グレイは再びにやりと笑う。
「そう言う訳じゃないって。ただこの体勢じゃ力が入らなくて…。」
ロビンはそう言いながらもグレイの胸を押し上げようと必死になっているが、相も変わらず状況は一変しない。
「ねぇ?お願い。」
ロビンは必殺お願い作戦に出た。当然の事、グレイは嬉しそうにその口元を歪める。
「しょうがないな…どいてやるか。」
グレイはにやける口元を隠しつつ起き上がった。早速ロビンも身体を起こすと、グレイを押し倒すべくその肩に手を掛ける。
「頑張れよ〜。」
グレイは余裕の笑みを漏らす。
「馬鹿にして…。」
ロビンは口を尖らせた。
「何しても可愛いな〜。」
相変わらずグレイはロビンを小馬鹿にしながら、一人萌えていた。
「そんな余裕見せてていいの?」
ロビンはグレイの肩を思い切り押した。流石のグレイも余裕かましていたせいか勢いよく後に倒れた。
「やった!」
ロビンは急いでグレイの身体を跨ぐと自慢げに微笑んだ。
「どう?これで文句ないでしょ?」
ロビンはそのままグレイの上に倒れ込む。鼻先がすれ違うほどに顔を近づけると再び満足そうに笑みを漏らす。
「グレイ押し倒しちゃった〜。」
ロビンはそれだけで満足したのかグレイの頬や瞼に唇を落とす。等のグレイは受けになると言う危機感などもちろんなく、嬉しそうなロビンを見て満足そうに萌えていた。
「なぁ?ロビン。押し倒して上に乗ったからって攻めになれるとは限らないんだぜ?」
グレイはにやりと微笑むとロビンの身体を抱きしめた。
「ちょっと!おとなしく寝ててよ!」
ロビンはグレイの腕を振りほどこうと身を捩るもののなかなかその手を振りほどけない。
「結局な、両方が攻めを望む場合、物を言うのは体躯の差ってヤツだからな。」
グレイは自信ありげに笑みを浮かべた。そんなグレイにロビンの表情は見る見る曇っていく。
「なんだよ。やっぱりグレイは無理矢理俺の事抱くんだね…。」
ロビンはグレイから顔を背けると悲しそうに俯いた。そんなロビンの様子にグレイは困ったようにその手の力を緩める。
「あのな?無理矢理じゃないぞ。これは自然の摂理ってヤツで…。」
グレイは意味不明ないい訳を持ち出してきた。いや、あの、これは、などとぶつぶつ言いながら必死にロビンの機嫌を直そうと頑張った。
「……すきありっ!」
ロビンはにこりと笑みを浮かべる。突然グレイの腕を掴むと頭の上に押し付けた。
「……え!?」
これにはグレイも虚をつかれたらしく、見事ロビンはグレイの腕をとらえたのだった。
「グレイは甘いよね。」
ロビンはぺろりと舌を出す。
「オマエ〜〜俺を騙したな!!」
グレイは腕を押し戻そうと力を入れるものの流石にこの体勢からでは腕に力が入らない。
「俺だってオンナノコじゃないんだから全体重かけて抑えればちゃんと押し倒せれるんだから。」
ロビンは自慢げに微笑む。グレイはふと外伝のオンナノコ達を想像した。槍や剣を振り回す人達や、サンダーなどをぶちかます人達やらが浮かんでグレイはぶるぶると身震いした。
「よっぽどオマエの方がオンナノコじみてると思うぜ…。」
グレイは苦笑混じりに呟くと、身体の反動を使って一気に起き上がった。状況は一変して、グレイがロビンを抱きかかえるような形になる。
「ええっ!!」
ロビンの驚きの声が響く。
「諦めなさい。」
グレイはロビンの手を振りほどくと優しく抱きしめた。
「………。」
ロビンも観念したのか、大きなため息をついてグレイの首に手を回す。
「どんなに頑張っても無理なんだね……。」
今度こそ本当に落ち込んだのか大きく肩を落とす。
「もっと鍛えてムキムキのマッチョにならなきゃね。」
グレイに恐怖の言葉が聞こえてきた。
「馬鹿!止めろ!!アホか?オマエは。」
グレイは汚い言葉を連発した。
「酷いな!!なに?その言い方。」
ロビンの表情が曇るがグレイはそんな事お構いなしだった。
「オマエはそのままがいいんだよ。」
グレイは自分に言い聞かすかのようにうんうんと頷いた。
「そのままねぇ〜。」
ロビンは腑に落ちない様子ながらグレイの言葉をかみ締める。
「俺はそのままのオマエが好きだからな。」
グレイはにやりと微笑んだ。
「………。」
ロビンは何も言わずにグレイの首に回す腕に力を込めた。
「嬉しい……。」
小さく呟いたロビンの声がグレイの耳にも届く。
グレイはロビンの顔を上げさせるとそっとキスをした。




「結局俺が受けなんだよね……。」
事の終わりに再びロビンはその話題に触れた。
「まだそんな事気にしてたのか?」
グレイはあきれ顔でロビンの顔をのぞき込んだ。
「俺は絶対に受けになる気はないからな。だから、オマエも攻めになる事は絶対に無いって事だ。」
グレイはうんうん、と頷いた。
「結局そうなるんだよね。ここはやっぱりムキムキのマッチョになってグレイを力でねじ伏せなきゃ駄目かなぁ……。」
ロビンは何かを想像している。
「だ〜か〜ら〜。それだけはヤメロ!」
オマエのムキムキした姿なんて冗談きつい…。グレイはびしっとつっこみを入れた。

俺がムキムキのロビンに抱かれるなんて…想像するのもおぞましい……。
そう思いつつ、グレイの頭の中にムキムキなロビンの腕の中でうっとりとしている自分が思い浮かんだ。
しかし即座にその映像はかき消された。そしてぶるぶるとグレイは身を震わせたのだった。
「やべぇ!!怖ぇ!!頼むからそのままでいてくれよ〜。」
突然取り乱し始めるグレイ。
「???」
ロビンは意味も分からず首を傾げるのでした。




          おわりってことで!




 ただひたすらにラブラブな二人です。はぁ〜私も男になってロビン押し倒してぇな〜。可愛いの〜。(ある意味自分とグレイが重なって見えるのは気のせいか…)グレイの心の声はワタシの心の声とも言えるな。(苦笑)鬼畜好きのくせしてこういう話も萌えたりして、もしかして自分は読むなら鬼畜、書くならラブラブなのかもな〜。こういう話の方が正直ペンが進むもん。まぁギャグも有りだからなのかも知れないけどね…。
 ロビンの攻めかぁ〜。書いてみたい気もするようなしないような…。しかし相手がグレイはちょっと……。グレイはワタシ的に完全攻めキャラだし。グレイの喘ぎ声なんて想像できんよ。やだよ、そんなの(苦笑)基本的にワタシはリバは受け付けないんで(笑)だったら書くなってな感じですね。
 それはそうと、エロ有り小説を書く予定だったのですが、今回は暗転のエロ未突入になってしまいました。情けないっすぅぅ(涙)次こそは、真面目なエロを目指します。ごめんなさいっ!!(逃避)