「どうして…!?」
必死に抵抗する腕を、押し付ける。
「止めて…下さい……。」
かすれる声が耳について離れない。
「止めて……。」
声にやがて嗚咽が混ざる。
「おとなしくしろよ……。」
「………。」
脅えた瞳が見開かれる。
そうだ、それで良い。
「お前を壊してやる………。」
何度も何度も想像した。
お前の笑顔を見る度に。
いつか、こうしてお前を組み敷いてやろうと、思っていた。
何も疑う事など知らないお前を。
組み敷いて、
滅茶苦茶にして、
傷付けたかった。
「お前を壊したい………。」
樹氷
「ロビン、ちょっといいか?」
「はい!?」
ロビンは珍しい人に突然声を掛けられて、一瞬驚きの表情を浮かべた。
「リュートさんが俺に用なんて、珍しいですね。」
しかし、すぐにいつもの笑顔に戻る。
「悪い、場所変えてもいいか?」
リュートは回りを窺ってから、軽く手で合図をする。
ロビンは不思議そうな表情を作るもののはい、と頷いた。
「それじゃ、ついてきてくれ。」
リュートはそう言うとさっさときびすを返して歩き出した。
慌ててロビンもその後を追う。
「おい、ロビン!何処行くんだ?」
既にリュートの姿が部屋の中から見えなくなった頃、扉に手をかけるロビンにグレイが声を掛けた。
「あ、ちょっと出てくる。」
ロビンは軽く手を挙げると、そのまま部屋を後にした。
「ちょっと待て…。」
「グレイ!ちょっとこっちに来てくれ!」
慌てて声を掛けようとしたグレイだったが、同時にアルムに呼ばれて追いかけようとした足を止めた。
「明日の事でグレイに相談があるんだ。」
アルムが地図から目を離さずにグレイを呼ぶ。
「ここは、クレアとマチルダで……。」
「それじゃ、後方はルカとフォルスに……。」
アルムはクレーベと地図を睨みながら明日の戦略を考えているようだった。
「………。」
グレイは仕方なくアルム達の元に歩み寄る。
「あぁ、グレイ。明日なんだけど……。」
クレーベが戦略についてグレイに伝えるが、等のグレイはイマイチ上の空で話を聞いていた。
別に何がどうなる訳でもないのだがどうも嫌な予感がしてならない。何に対してなのか、どうしてこんな予感が浮かんだのかは、グレイ自身全く解らないのだが。
今はとにかくロビンを追いかけたかったのだが、ただの気のせいだと自分自身に言い聞かせてアルムとクレーベの話に耳を傾けた。
そのころ、ロビンはリュートを追いかけて森に足を踏み入れていた。確かに森に入っていった所まではその姿を確認していたのだったが、どうも見失ってしまったようだった。
左右を確認しながら一歩一歩森に足を踏み入れるが暗くて見通しが悪いせいで、リュートの姿を見つける事ができなかった。
「困ったな……。」
ロビンは立ち止まり、くるりと回りを見渡す。
「何処行っちゃったんだろ……。」
待っててくれればいいのに…と、少し愚痴をこぼす。
本当は森になんて入っていないのかも知れない。良く考えればこんな暗くなってから森になんか入るはずもない。どこか森に入る手前で待っていたのだろう。ロビンは慌てて来た道を戻りだした。
「何処に行くんだ?」
突然声を掛けられてロビンはびくりと肩を震わせた。慌てて声の聞こえた方に目を凝らすと、リュートが木の幹を背にして立っていた。
「すみません、ここに居たんですね。」
ロビンはホッとした様子でリュートに歩み寄った。
「あの、用ってなんですか?」
何も疑う事など知らないような瞳。こんな人気の無い場所に突然呼び出されても、なんの不信感も抱かないのかと、リュートは思っていた。
「どうかしましたか?」
不機嫌そうに表情を曇らせていたリュートを気遣うように、遠慮がちにロビンは訪ねる。
「お前を見ていると、壊したくなるんだ…。」
「え……!?」
突然リュートはロビンの腕を取ると、自分が凭れていた木に、ロビンの身体を押し付けた。
あまりに突然のことで、ロビンはなんの抵抗もできぬまま、その身を捕らえられた。
「あの……どうしたんですか?」
それでもロビンは震える声でリュートに問いかけた。真っ直ぐリュートの瞳を見つめながら。
その言葉が真意なのか冗談なのか、見極めるために。しかし、リュートの瞳の奥は暗く、そして深く、その真意を押し込めていた。
「お前みたいな奴は、俺の手で滅茶苦茶にしたい……。」
リュートはそう呟くと、そのかすかに震える唇を自らのそれで塞いだ。
「んん………。」
ロビンはきつく奥歯を噛み締めて、リュートの舌が口内を犯そうとするのに必死で抵抗した。そして、リュートの両肩を掴み押し返そうとする。だが、魔道士でありながら鍛えられたその身体は、その程度の抵抗ではビクともしなかった。
「そんな抵抗しかできないのか?」
リュートは軽く微笑んだ。その微笑に、ロビンは表情を引きつらせた。今に至って初めてリュートに恐怖感を覚えたのだった。再びリュートの肩を掴んでいた両腕に力を込める。しかし、どんなに押し返そうとも、リュートの体勢を崩す事はできなかった。
「脆いものだな…。」
リュートはそう呟くと、再びロビンの唇を奪う。顎を押さえつけ、無理矢理口内に押し入り、貪欲に舌を絡め取る。
「う……んん……。」
リュートの肩を掴んでいたロビンの手が小さく震える。かすかに漏れる吐息が熱を帯びてきたのに対し、リュートは喜びを感じていた。見た目は華奢であるロビンだったが、一介の剣士である。ある程度の抵抗は予想していたものの、こうも簡単に自らの腕の中に落とせるとは嬉しい誤算だった。
リュートが唇を離すと、ロビンは肩で息をする。そして脅えた瞳でリュートを見上げた。
「………。」
リュートは再び口元に笑みを浮かべた。そして、荒くロビンの両肩を掴むと無理矢理地面に押し倒した。
「な…何を……!?止めてください!!」
そんなロビンの言葉など全く気にせぬ様子で、リュートはロビンの上に覆い被さった。
「やめ……リュートさ…ん……」
顎が上がり、苦しげに息を漏らすロビンの声にリュートは感じ入ると、上着を無理矢理まくり上げた。
「え……!こんな所で……何を……!?」
ロビンは慌ててリュートの腕を掴んだ。
「こんな所じゃ無ければ良いのか?」
リュートは逆にロビンの手を掴み返すと、その手の甲に口付けた。
「………。」
ロビンは言葉を飲んだ。恐怖に震える手をリュートから振りほどくと、再び抵抗を始めた。
「お願いです、離してください……。」
リュートは再び唇を重ねると言葉の抵抗さえもロビンから奪う。そして、ゆっくりと腹部から胸にかけてなで上げた。裾から入り込んできた冷たい手の感触にロビンはびくりと震えた。その手から、身を捩って逃れようとする。しかしロビンの抵抗などにリュートは全く動じない。ロビンの躰はリュートに組み敷かれ、その支配下に置かれた。
「お前を壊す。そして、俺のモノにする……。」
リュートは冷めた瞳でロビンを見下ろすと、そう呟いた。再びロビンの唇を求め、顔を落とす。ロビンはそれを、首を捻る事で避ける。不満を露わにするリュートに対して首を横に振った。
「俺は…貴方のモノにはならない……。」
あくまでもリュートを否定し続けるロビンに、リュートは目元を引きつらせた。
「別に…お前の許可なんていらない。」
リュートの冷たい言葉がロビンに突き刺さる。
「無理矢理でもお前を奪い、お前を壊す。たとえ憎まれようが、お前は俺を忘れられないだろう……。」
リュートはロビンの細い首に噛みつくように己の刻印を刻みつける。この躰を支配しているのは他の誰でも無い、自分なのだと知らしめるかのように。白い肌にいくつもの赤い痕が刻み込まれてゆく。
「止めて……!!」
服を着ても隠しきれない場所に赤い痕を残すリュートに、ロビンは静止の声を上げた。しかしリュートは、ロビンの静止の声も聞かずにゆっくりと唇を滑らせた。
「誰かと…寝た事はあるのか?」
「え………!?」
突然のリュートの問いにロビンは言葉を無くす。明らかに困惑した表情を浮かべる。
その様子にリュートはかすかに微笑むと、再びロビンの肌に唇を落とす。
「まあ……どうだろうと構わない。今は俺のモノだから……。」
リュートはその滑らかな肌の感触を楽しむかのように、鎖骨から胸にかけてゆっくりとその手でなぞる。突然の刺激にロビンの躰がびくりと震える。リュートの付けた赤い痕の他には、何処にも痕はのこっていない。まるで、その躰に触れるのは自分が初めてなのではないかと言う錯覚に、リュートは陥る。
しかし、その優美な錯覚もロビンの憮然とした、しかし、強い意志の込められた声で解ける。
「それでも……俺は貴方のモノにはなりません……。」
確かに、リュートの目の色が変わったようだった。この状況を楽しんでいるようだったリュートだったが、突然ロビンの下肢に手を伸ばすと、無理矢理身につけている物を引き剥がした。
「リュート…さん……。」
まるで哀れみを込めたようなロビンの声が、更にリュートを激情させた。
乱暴にロビンの躰をうつぶせにする。露わになった双丘の前で、リュートはロビンの背に体重をかけたまま、自らの下肢に手をかけた。
「何を……!?」
ロビンの声に明らかに脅えが見える。しかしリュートはそんな事などお構いなしに、荒々しくロビンの腰を引き寄せた。熱い塊が、行き場を無くしたまま押し当てられる。
「止めて……下さい……。」
「駄目だ……。」
リュートは低い声で唸る。
「お前を、滅茶苦茶にしてやる……。」
それ以上、ロビンの拒絶の言葉を遮るかのように、リュートは無理矢理腰を前に突きだした。
「止め………。」
ロビンの声が途切れ、全身ががくがくと震える。その、えも言えぬ違和感から必死に逃れようと、その手は地面を掴んだ。
一気に押し入ってきたそれは、熱いロビンの内部できつく締め付けられた。
「ああ………。」
リュートの低い声がロビンの耳元に掛かる。
「う……んん………。」
ロビンはただ、その鈍痛から逃れたくて地面を掻きむしった。爪が割れて血が滲む。
馴らされる事の無かったそこからは血が溢れ、妖艶な音を辺りに響かせる。リュートは躊躇うことなくロビンにその腰を押し付けた。その都度漏れるロビンの苦痛の声が、何よりリュートに快感を与えていた。
「もう、止めて………。」
ロビンの嗚咽の混ざった声をもっともっと聞きたくて、リュートは更に奥深くに突き上げる。
「お前が…欲しい……。」
リュートは何かに操られたかのように呟く。
「お前が欲しい……。」
そして何度もその言葉を繰り返す。
「お前も、気持ちいいだろう?」
リュートの言葉に、ロビンは必死に首を横に振る。あくまでも、貴方になんか支配されないと言う強い意志で。
「強情だな……。お前も、楽しめばいいのに……。」
そう言うとリュートは、絶え間なく与えられる苦痛に打ち震え、萎えたそれを手に取るとゆっくりと腕を上下させた。
「嫌…だ……。」
腰を押さえつけられて、無理矢理導こうとされるその感覚に、ロビンは羞恥した。頭では決してリュートの思い通りにはならないと、その刺激を拒否しようとも、躰は与えられる快楽に溺れてゆく。
なぜ自分がこんな目に遭わなければいけないのか。そう思った時、突然ロビンの頭にグレイの顔が浮かぶ。その途端押し込めていた涙が一気に溢れ出た。ぽたぽたと両頬を伝って流れ落ちる。
(助けて……。)
その思いは声にならず、喉の奥で途切れた。
「う……あぁっ……。」
苦痛と快楽を同時に与えられて、どうにもならなくなった思考は、何もかも忘れ去りたいとでも言うかのように、そこですべてを投げ捨てた。こんな醜態を晒したくないと思いながらも、煽られるままにリュートの手にその白濁が吐き出された。そして、ロビンの躰は静かに地に堕ちた。
「お前は、俺のモノだ。」
リュートは静かに呟きながら、ロビンの体内に自らの精液を流し込んだ。既に意識が朦朧としているロビンに、それでも尚腰をゆっくりと打ち付ける。
「もっともっと、お前を壊してやる。俺みたいに……。」
リュートは、低い声で笑った。その笑いはやがて声に出して静かな森に響き渡る。そして繋がっていた楔を引き抜く。それは真っ赤に滑り、その行為の激しさを物語っていた。
「………。」
リュートは一人、満足そうにロビンを見下す。ロビンは激痛の残る腰を庇いながら上半身を起こす。そして、脅えた瞳をリュートに向けた。
「お前はもう、俺のモノだ。」
リュートはロビンの顎を掴み、軽く口付けた。ロビンはそれすら抵抗できなかった。強い目眩がロビンを襲う。
「そろそろ戻らないと、誰かが心配しているんじゃないか?」
くくっとリュートは笑うと、ロビンをその場に残しさっさと身支度を整えてその場を後にした。
一人残されたロビンは、自らの身体を強く抱きしめて嗚咽を漏らした。止まっていた涙が再びその瞳から溢れ出た。何も抵抗できず、されるがままだった自分が情けない。そして、無理矢理抱いたリュートに憎しみが浮かぶ。リュートは、自分にこんな気持ちを持たせるために抱いたのだろうか……。何度も何度も呟いていた『壊してやる』と言う言葉の意味は、この事だったのだろうか……。
しかし、今のロビンにはそんな事などどうでも良かった。とにかく辛く、悲しかった。それ以外に、何も浮かばなかった。
ふらつく足取りで、ロビンは宿に戻った。
真っ先に声を掛けてきたのは、今一番すがりたいけれど、一番逢いたくないその人だった。
どうしたんだ?
何かあったのか?
顔色が悪いぞ?
どこか痛いのか?
返す言葉も出ないうちに重ねられる言葉。
「なんでもないよ。ちょっと疲れたから先に休ませて……。」
そう言って、即座に彼の前から姿を消した。
慌ててドアを閉める。しばらく何か声を掛けていたようだったが、最後にお休みと一言残しその場を後にした。押しとどめていた涙が再び溢れる。
今すぐ強く抱き締めて欲しいけれど。
優しく声を掛けて欲しいけれど。
グレイ……ごめん。
今は逢えない……。
とても逢えるような状態じゃない。
汚れてしまったこの躰を、お前に見せたくない……。
溢れた涙はゆっくりとその頬をつたい、床に小さなシミを作る。
その涙はとどまる事を知らずに、後から後から溢れては、ポタリと堕ちていく。
貴方になんか、堕されない。
絶対に………。
ん〜〜〜。なんか終わっちゃえ。
あ〜、何書いてんだぁ自分。酒飲みながらはやっぱ駄目だぁ〜。PC打つ手が鈍る……上手く指がうごかんわぁ〜〜〜。しかもなんじゃ?これは。リュート×ロビンて。共通点は同じアルム軍っつ〜くらいじゃ。クールで鬼畜な攻めを探してて何となくリュートとやっちゃった。あ〜、もう何でもありだぁ〜。つーか酔ってるよ。マジで。妊娠中から授乳中にかけてアルコールとらなんだら(南信弁なり。)めっぽう弱くなっちまったよ。あ〜〜〜やべ〜〜〜。つーか、ホント、酔ってるよ〜〜〜〜。これ後で読んだら笑えるだろ〜な。あ〜寝そう。寝るで。良く書けた!自分。偉いぞ!!あ〜寝ます。zzzz。
後日談………あ〜これ、マジで酔ってるね。話の事になんにも触れて無いじゃない(苦笑)それはおいといて、なんだこれは?やばくないかい??前回不発に終わったので今回はバリ鬼畜にしよっと♪と思いつつ取りかかったこの話、途中でアルコールを含んだせいでかなりイカレた内容に……(汗)まぁ鬼畜こそエロの神髄と思っているワタシ的にはまぁ良いでしょうって事で。ホントにただエロイだけで内容の無い話で済みません。結局グレイの悪い予感はどうなったのかとか、触れずに終わってるし。いい加減やなぁ〜。(ついでに題名も意味無いなぁ)まぁいいわ。(ヲイ!)次は〜。もうクリスマスまで日が無いけどグレイ×ロビンの甘い聖夜のお話でも書いてホッとしましょう。無事間に合うと良いなぁ(汗)
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