〜FE愛の劇場〜
変人集いて野球をす…の巻 1

「こんにちは。ロビンです。」
 ちょこんと頭を下げる。
「聞いて下さい…。実は今、外伝の世界がおかしいんですっ……。」
 するとルカが立ち上がり
「あの…昔から、おかしいと思うんですが…。」
 と、少々遠慮がちに語る。
「確かに昔からおかしいんですけど…違うんですッ。」
「何が違うんだ?」
 と、フォルス。
 はじめはフォルス同様レベルの脇役だったパイソンが、今ではその影も無く登場することさえなくなった。
 が、今回登場した。
「ヘーイパイソンです。彼女募集中だ!!」
 突然訳のわからない事をほざくパイソン。
「ね?」
 同意を求めるロビン。
「千葉ロッテマリ〜〜〜〜ンズ〜〜〜〜♪」
 と、どこからかともなく怪しげな歌声が聞こえてくる。
「誰だ!!ロッテを歌うヤツわッ!!」
 グレイは西武ファンだ。
「フッフッフ…。私だ。」
 そこへ現れたのは千葉ロッテの小坂のユニフォームをまとった水澤氏だった。
「ロビンはロッテファンよねぇ。」
「えっ…。(ここはうそでもロッテファンというべきか…。)
 口ごもるロビン。
 不気味な笑みを浮かべる水澤氏。
「いや。ロビン、君は西武ファンだったな…。」
 武器を片手に立ち上がるグレイ。
「いや。君はどらごんずファンだろう?」
 顔は笑っているが目は笑っていないクレーベ。
「あれ?カープファンじゃなかったか?」
 突然ドアを開け入り込むアルム。
「阪神よねぇ。」
 いわゆるセクシーポーズなクレア。
「そうか…。おかしいとはこういうことだったんですね。」
 と、小さくつぶやいたのは、そっと立ち去ろうとしたが失敗に終わった実はオリックスブルーウェーブファンのルカであった。
「なんだァ。ここにはロッテファンがいないのかァ――――――。」
 ガシャーン。
 突然吹っ飛ぶちゃぶ台。
「あぁーどっから持ってきたんだァ〜〜〜。」
 しょうゆをかぶるロビン。
「なッ・・・。なんてことを!!これは由緒正しきフォ・ルスーネ・スルネ家の伝説のちゃぶだいぃぃぃぃっっ!!」
 パイソンが顔を青ざめて叫ぶ。
「勝手に持ってくるなよ…。」
 ソーメンを大量にかっぶたシルクは、そのソーメンを眠っているクリフの口へ詰め込みながら言った。
「ウググググ…。オレはキンテツゥゥ…。」
 寝ていたくせになぜか話の筋を知っているクリフ。
「マジでロッテファン挙手をォォォ―――――。」
 ハイッ。
 と手を上げたのは…なんとノーマだった。
「イヤダァァァァァァァァッ!!!!」
 マッハで繰り出される鉄拳。
 ノーマ永眠。
 チ――――――ン。
「……死んじまったよ。」
 あっけにとられるパイソン。
「誰か…埋めてやれよ…。」
 出してやらなきゃ可愛そうなので、とりあえずレオがつぶやいた。
 それに答えるかのように水澤氏は、ノーマをミラの神殿地下へ突き落とした。
「わぁーお。ゴウカイ。」
 どこからともなく現れた玄海氏。
「うわァァァァァァァァ…。役者がそろってしまったァァァ…。」
 びびるクレーベ。
「うわァァァァ…。クレーベがびびったァァァ…。」
 びびる水澤氏。
「うわぁ。水澤氏がびびってるぅ〜〜!!」
 レオは気を失った。
「…なぁ、ところで野球しないか?」
 と、突然勧誘モードなフォルス。
「おぉぉっ。フォルスが真面目だ!!!」
 パイソンも意識を失った。
「よっしゃ。やろうぜ。」
 笑顔がさわやかなグレイ。
「それじゃぁ気ィ失った人にはどいてもらってぇ…。」
 表情一つ変えずにワープを唱えるシルク。
「みんなヒドイよね…。」
 ルカに同意を求めるロビン。
「これが彼えらのやり方です…。逆らえば殺られます…。」
 すみで震えるルカとロビン。
 こうして野球が始まった。
「よし。俺様のチームに入るものは誰や!!!」
 グレイは勝手に黒板にグレイチームと書いた。
「俺のチームに入りたいやつは入れてやろう。」
 と、クレーベは勝手にクレーベチームと書いた。
「ドーマを倒すのは誰だっけな。」
 と、アルムは勝手にアルムチームと書いた。
「……野球をやろうと言ったのは…フッ。」
 と、ひそかに泣きながらクレーべチームと書いた。
「チームが多いっすね…。」
 ポツリとつぶやくクリフ。
「なんか文句あっかあッ。」
 グレイに締め上げられる。
「めめめめ…滅相もございません。グレイチーム入らせていただきますッ。」
「よォーし。」
 ごきげんグレイ。
「ロビンくん…ぼく…実はこの場にいたくないんだ…。」
 さわやかなルカ。
「僕もです。」
 にっこりとロビン…。
「それにしても、天候が変わってきてますよね。」
 顔に縦線の入ったロビン。
「…いかり…かな。」
 同じく縦線のルカ。
「……そうでしょうね。」
 ロビンがいうと同時にいなずまが光り、フォルスが倒れた。
「…どんどん人数が減ってるね…。」
 と、ルカ。
「…野球。できるのかな…。」
 と、ロビン。
「心配御無用!!!」
 にやりと光る口元。
「あっ…あなたは…!?」
 稲妻の逆行をあび、そこに立つ5人の戦士…。
 その名も…。
「大陸に響く聖騎士とは表の姿!実はグランド整備士マイセン!!」
「3人ごときで反乱した鎧じじいは表の姿!実は監督バルボ!!」
「大陸の破壊神は表の姿!実は触手で玉広いドーマ!!」
「ただの村人とは表の姿!実はきこりバッターアトラス!!」
「人数稼ぎのGナイト!トンネルライトのジーク!!」
「5人そろって!!」
「オジンガ―――――――ファイブッ!!!!!」
 ジークはノーマの代わりらしい。
 アトラスはきこりなので年齢不詳だ!!
「わしを忘れるなァァァ――――。」
 どこからともなく聞こえてくる無気味な声。
「ヒィィィィィ〜〜〜何か聞こえるよォォォ〜〜。」
 ルカにしがみつくロビン。
「バカヤロー!!ロビン!!俺の胸に飛び込め―――!!」
 仁王立ちなグレイ。
「それどころじゃないよォォ。」
 涙目なルカ。
 ズルズル…ズル…。
 何かが引きづられる音。
 突然ドアが開く。
「ノォ〜〜〜〜マ復活!!!」
 さすが…極めたオジン。
 しぶとかった…。
「ノーマ…生きてたんだな…。」
 目を潤ませ、マイセンは言った。
「しかし…もうお前のポジションはない!!」
「ぬわんだとぉ―――――!!」
 そこでノーマは…。
「まだショートがあるじゃないか!」
 ドバキィィ。
「ハゥッ。」
 バットを片手に水澤氏現る。
「ショートは永久にフメツヨォ――ッ。」
 ノーマ、今度こそ永眠…。
「…なんだか今度はゾンビになっても登場しそうですね…。」
 静かにロビンは語る。
 それを聞いていたシルクは、
「ワ――――――プッ。」
 とノーマをどこかへ消した。
「…僕らをワープさせてほしい…。」
 ルカは独り言を言った。
「ところでオジンガ―ファイブはどこチームなんだよ。」
 腕を組むグレイ。
「あ…。オレんとこはいらねーから。」
 と、付け足す。
「オジンガーだから、クレーベチーム?」
 ポツリとつぶやくロビン。
「ロビンくん、そんなコトを言ってはッ!」
 ズガ――――――――ン!
「フッ…たいちょォォ―――。」
 フォルス黒こげる。
「我らオジンガ―――ファイブはっ!!」
 と、バルボが叫ぶ。
「アルム軍だ!!」
 と、マイセンが言った。
「アトラスは違うんじゃない?」
 とメイが突っ込みをいれた。そこへいかりが…ズガ――ン。
「まあ、いいだろう!アルム軍だからな!!」
 いかりでメイを封じたクレーベが勝ち誇ったように言った。
「…!あっ人数が!3チームもムリだな。」
 と、アルムはそそくさとアルムチームを黒板から消した。
「リーダーだからな!オレは、譲ってやるよ。」
 ちょーしこいてるアルムであった。
「オレはグレイんとこで良いよ。」
 ハッハッハ。
 そそくさとグレイチームに名を移すアルム。
「我らオジンガ――は…。」
 マイセンが叫ぶ。
「アルムについてゆくゾ―――。」
 洗脳されたジーク…。
「オイオイ…マジかよォ…。」
 白くなるグレイ。
 そそくさと去ろうとするアルム。
「まァこれでグレイチームは決まったな。」
 クレーベは満足そうにうなずいた。
「…。たいちょうのチームはどうするんですか?」
 フォルスは本日真面目です。
 きっと気を失ったところへもう一度いかりがきたからだね。
「それは…、その辺の脇役どもを捕獲するさ。」
「捕獲…ですか…。」
 ルカは嫌な予感がした。
「うわぁぁぁぁぁ〜〜。たすけて〜〜〜。」
 網をかぶせられるルカ。
 そのままズルズルと魔の手に引きづり込まれる。
「ルカさん…。お元気で…。」
 ぽつりとつぶやくロビン。
「よっしゃ――!!ルカゲットだぜ!!」
 チャラリラリラリ〜〜ン♪(ポケモンテーマ…。)
「ゲットされてる…。」
 影の薄いジェシーがいつのまにかそこにいた。
「よし!!お前もゲットだ!!」
 クレーベ、実はおびき寄せる作戦だったようだ。
「えっ!!いや…。オレは…。(セリカ軍だし…。)」
 逃げ出そうとしたジェシーの目に映ったのは、人質にされたらしいセーバーだった。
「セーバーさん…。どうして…。」
 目に涙をためながらガックリするジェシー。
 ガチャリ。
「……。」
 仲良くオリに入れられるジェシーとセーバー。
 顔色が優れないのは気のせいだろうか…。
「こんちわ――。」
 勢いよくドアを開け放つボーイ。
 先ほどワープでとばされたレオとパイソンを両脇に抱えている。
「ミラの修道院に変なものが届いたんでお返しに…。うわぁぁぁ〜〜〜。」
「3匹ゲットだぜっ!!」
 捕獲されるボーイ。
 レオとパイソンもついでに捕まる。
 ほろりと涙が一粒ボーイだった…。
 そこへ突然、
「かっ飛ばせ――――――っ!!!バッルッボ!!!」
 と、試合が始まっていないのに気合の入った声がする。
「まだ始まってないっすよ…。」
 セーバーがオリの中から言う。
「よっぽど野球をやらせたいんでしょうねこの話の作者どもは…。」
 ジェシーもオリの中から言う。
 ズガ―――ン!!!!!!!!!!!
 いかり爆発!!
「…それは禁句だ!!」
 クレーベ代官見事なお裁き。
 いっしょにオリにいたセーバーはとばっちりを受けた。
「おっ!!あれカムイじゃん。」
 と、グレイは指をさす。
 クレーベベンチになぜかカムイがいた。
 どうやら気合の入った応援はカムイのようだった。
 風の噂によると、カムイは熱血野球ファンで応援団もつとめているらしい…。
「プレイボォォ――――――ル!!」
 勝手に始めているカムイ。
 一度言ってみたかったようだ。
「オイ…。始まっちまったぜ…。」
 と言いつつ、グレイすでに投球姿勢に入る。
「一番ジェシー行け!!」
 オリから出されるジェシー。
「ストライ―――――――ク!」
 知らないうちに審判がいる。
 よく見ると……ノーマ…。
「マジッスカ?」
 ジェシー固まる。
 そのうちにグレイ三球三振。
「よっしゃぁぁ―――――――――!!」
 ガッツポーズを決めるグレイ。
 やっと守備に入るオジンガ―諸君。
「よし!!次はボーイだ!!貴様バットにボールを当てるくらいしろよ。」
 クレーベ目を光らせる。
 グレイ、早速投げた。
「えっ!!(そんな突然)エクスカリバ―――――――!!」
 ボールの威力が弱まった!!
「あっきたねーぞ!!審判!反則だ!!」
 グレイ、ノーマに文句を付けに行く。
「…別に野球に魔法はルール違反と書いとらんじゃろ…。」
 ルールブックを見ながら半分死んでるノーマが言う。
 そうこうしているうちにボーイのバットにボールが当たった。
 ボールはショートの守備位置へ飛んでいく。
「ロォビィィィ――――ン。何しとんじゃぁぁ―――!!」
 グレイの目が光る。
「ヒィィィ――――。」
 あまりの恐ろしさにすみで震えていたロビン、猛スピードで走りボールをナイスキャッチ。
「さぼってっちゃだめだろう。」
 突然さわやかな笑顔のグレイ…。
「…。(いつの間に入れられてたんだろ…。)」
 しくしくとうなだれるロビン。
 ズガ―――――ン!!!いかりはボーイ直撃。
「3番バッターパイソン!!おまえは大丈夫だろうな…。(怒)」
 パイソンは恐怖で顔が白い。
 パイソンは考えた…。
 (これはどんな手を使ってでも打たないと…!!)
 命に関わる問題である。
 とりあえず打席に入るパイソン。
「どりゃぁぁぁぁぁ―――――――――!!!」
 グレイの魂の投球!!
 すさまじい球が飛んでくる。
「ひぃぃぃぃぃ―――――――!」
 あまりの恐ろしさにバットを振ることもできずにいるパイソン。
「バキィィィッ……。」
 鈍い音と共に倒れ込むパイソン。
 ボールがパイソンの腹を直撃したようだ。
「デッドボ―――――――ルッ!!!」
「よーし。良くやったパイソン。」
 笑顔なクレーベ。
 しかしパイソンは倒れたきり動かない。
「おーい…。パイソン…。」
 次の打席のフォルスが寂しそうに動かぬパイソンの名を呼ぶ。
「あきらめろよ…。俺たちはクレーベ隊長に関わっているんだ…。無事に済むなんてこと無いんだ…。フッ…。(泣)」
 その時、突然ライトを守っていたジークが叫んだ。
「野球を続けるためにはアレしかないな…。」
 にやりと笑い高々と右手を天に突き出す。
「いでよ!!オジンガーファイブロボ!ティータァァァッ!!!」
 BGMはなぜか水戸黄門のテーマ。
「な…なんだあれはぁ…!」
 グレイの指さす前方にはロボット化されさらには巨大化したティータがいた。
「よし!ティータ、リザーブだっ!!!」
 ティータロボの目が赤く光りゆっくりと口が開かれる。
「ティータ!ミラクルリザ――――――ブぅぅぅ!!!!!」
 変な技名を発するティータ。
 妖しげな光に球場は包まれた。
「俺たちは、生かさず殺さず野球をやらされるわけだな…。」
 にわかに動き出したパイソンはそうつぶやいた。
「フォッフォッフォ。生き返ったわい。」
 ご機嫌な審判ノーマ。
 死んでも動いていたじいさん…。
「腰の痛みが引いたわい。」
 ラジオ体操を始めるマイセン。
「どりゃぁぁぁ――――――!!!」
 そんなことおかまいなしに既に投球中のグレイ。
「……。(フォルスゥゥゥ……。打たんと殺る…。)」
 クレーベ、フォルスに呪いをかける。
「か…体がかってにぃぃぃ―――!!」
 フォルスは何故か片手を「フッ」のかたちにし、もう片方の手でバットを構えた。
 これがいわゆる片手打法の起源といえる。
「かっき―――――――――ん!!!」
 フォルスのバットは見事にボールをとらえた。
 ボールは野を越え山を越え…。
 世界を一周し再びこの地へ戻ってきた。
 それでもボールは止まらず何故か最悪のパターン、クレーベに直撃した。
「こ…これはホームラン??」
 なんてのんきにつぶやくフォルス。
「フォルス…!!きぃさぁまぁぁぁ……!!!」
「ひぇぇぇぇ…。」
 やっと自分のおかれた状況に気づくフォルス。
 それでもとりあえず片手を「フッ」にしたまま一塁へ走った。
 クレーベはフォルスへ向かっていかりの剛速球を投げた。
 しかし、クレーベの投げた球はなぜかパイソンめがけて飛んでいく。
 実はクレーベはノーコンだった…。
 すでに3塁をまわったパイソンは笑顔でホームへ向かっている。
 ボールは気づかず走るパイソンの頭部へ直撃。
 笑顔のまま倒れ込むパイソン。
 さて、判定は!!!?




2へ続く★