変人集いて野球をす… その2


「ノーマ!パイソンはホーム踏んでるのか?」
 熱血野球人カムイが聞く。
 ホームベースには……。
 パイソンの口から飛び出した歯が落ちていた…。
「これはパイソンの歯だから…。セーフだっ!!」
 勢いで押し切るクレーベ。
 空には稲妻が走る。
「セ…セ――――――フッ!!!」
 びびるノーマ。
 とりあえずクレーベを敵に回さないようセーフを宣言。
「ひっで―――!!歯だぜ!ハ!!」
 グレイ、審判ノーマにケチを付ける。
「セーフ、セーフ、セ――――――フ!!!」
 唾を飛ばして叫ぶノーマ。
「きたねぇ、コイツ…。」
 一歩後ずさるグレイ。
 そうこうしているうちにさりげなく3塁をまわったフォルス。
 ホームベースを踏む。
「フッ……。」
 相変わらず手は「フッ」のままだ。
「やった――――2点目だ!!!」
 先ほどのボールのことは忘れてご機嫌なクレーベ。
 対照的にご機嫌ななめなグレイ。
「……。ロビン…。おまえのせいだぁぁぁぁ!!!」
 いきなり振られるロビン。
「なんでだぁ―――!!」
 不幸な子ロビンだった。
 いきなり突進してくるグレイを止める人がいない…。
 ロビンは困った。
 仕方がないのでロビンはノーマにケチを付けにいった。
「あれは完全にアウトです!!(でないと命があぶないですっ!!)」
「いや、セーフだっ!!(又倒れたら今度こそ出番がなくなる!!)」
 お互いに必死だった…。
 そこへクレーベが駆けつけ、グレイが駆けつけ…。
 乱闘になりそうだ。
「もとはと言えばクレーベがノーコンだから悪いんだろっ!!」
 熱血野球人カムイが喧嘩を売る。
「なんだと―――!!」
 クレーベチームとグレイチームはそれぞれ同じチーム内で乱闘を始めた…。
「・・・今のうちに逃げましょうよ、ルカさん。」
 さりげなくロビンは騒ぎをくぐりぬけルカに耳打ちした。
「そ・・・そうですね。」
 ルカもうなづく。
「では・・・、ルカさんが悪いんだ―――!」
 軽くルカを押す。
「ロビンくんこそ何ですかっ!」
 ぐいっとロビンの腕を引っ張る。
「ルカさんが・・・。」
「ロビンくんが・・・。」
 などといいつつ二人はさりげなく乱闘の中心地から離れていく。
「ルゥゥカァァァァ―――――――!!!」
「ロビィィ――――――――ン!!」
 ボスたち気づき、ものすごい勢いで迫ってくる。
 あまりの恐ろしさに気を失うルカ。
 腰が抜けてへたり込むロビン。
「どうしたルカ??大丈夫かっ!!ルカぁぁ―――!!」
 クレーベはただルカを心配しにきたらしい・・・。
「ロビン!!なにやってんだ!!早くこっちこい!!」
 ルカとばかり仲良くしているロビンに不機嫌なグレイ。
 そのまま二人はズルズルと自ベンチへ引きづられて行く。
 ところで・・・。
 乱闘はどうなったのでしょう・・・。
 いつのまにか乱闘はおさまりひげをすべて毟り取られたノーマが一人寂しく倒れていた。
「よっしゃぁぁ―――!!ゲーム再開!!次は誰やぁ―――!!」
 グレイ、すでに待ちきれずボールを投げる。
「私だ・・・。」
 某ブルーウェーブイチローのポーズの真似をするカムイ。
「カッコイイゼ・・・。」
 などと自我自尊しているうちにカウントはツーストライクノーボール。
「おりゃぁぁぁ―――――!!!」
 カムイへ最後の一球を投げる。
「振り子打法・・・。」
 と、ポーズを決めただけでバットを振らないカムイ。
「ストライ―ク!!スリーアウトチェンジ!!」
 さっさと引き上げるグレイチーム。
 カムイ、一人でポーズを決めたまま動かない。
「カッコイイゼ・・・。」
 相変わらず自分に惚れているようだ。
「いつまで打席にいるのよ!!」
 グレイチームマネージャー(いつのまに?)シルクはカムイをワープで飛ばした。
「よし!!一番ロビン!!打たなきゃ分かってんだろうな・・・。」
 グレイ睨みをきかせる。
「・・・・・・。」
 もう猫ににらまれたねずみのロビンであった。
 が!!
 バットを持った瞬間ロビンの顔つきが変わった。
「・・・オレ様のボール!宇宙の果てまで飛ばしてやるぜ!!」
「・・・。」
 ルカ、唖然としてロビンを見つめる。
「宇宙の果てまでってなんかフッル―――イ。」
 クレーベチームのマネージャー、コギャルなクレアケチをつけた。
「ひ・・・ひどい・・・。」
 とたんにやる気をなくすロビン。
「よくやったぁぁ。わが妹よ!!」
 そしてクレーベ、振りかぶって第一球投げました!!
「バシィィッ!!!!」
 シュルシュルとミットの中で煙を上げるボール。
「ボ――――――――――ル!!」
 ものすごい球ではあるがロビンの頭のはるか上へ投げられていた。
「ひぇぇ〜〜〜〜〜〜〜。」
 震えるロビン。
「くそっ!!」
 マウンドを蹴り上げるクレーベ。
「こんどこそぉぉぉ――――――!!」
 勢い任せに投げるクレーベ。
 しかし判定はボール。
 結局フォアボールで塁に出るロビン。
「た・・・たすかったよぉ〜〜〜〜。」
 ほっと胸をなでおろすロビン。
「いいか、クリフ!!デッドボールだ!!」
 グレイはクリフにももちろん容赦がない。
 クレーベのいかれるボールはまたしてもとんでもないところへ飛んでいく。
「このままではイカン・・・。」
 思案の末クレーベは助っ人を呼ぶことにした。
 それはなんと!
 ジュダだった。
「3,6,9番打者以外は呪いで動けないのだぁ!!」
 ひっひっひ・・・。
 誇らしげなジュダ。
 それがどうした!と言えばそれまでのものである。
「ヨォーしジュダ!!やっちまえ!!!」
 クレーベはベンチでほえている。
「オレは2番バッターだからだめだぁ〜〜〜〜。」
 あっさり三振に倒れるクリフ。
「ばかやろ――!!もっと粘れよぉぉ――――!!」
 ベンチから怒鳴るグレイ。
「次はだれやっ!!!」
 ベンチを見回すグレイ。
「オレの出番だな・・・。」
 バットを片手に口元をきらりと光らせる。
「アルム・・・。」
 打ってほしくないなぁと思いつつ笑顔をつくるが引きつるグレイ。
「主人公だからな・・・。」
 ふふんと笑うアルム。
 ジュダは3番バッターにはやさしい。
 超ど真ん中スペシャル打ちやすいボールを投げる。
「ヨユウッス!!」
 アルム、見事にボールを場外へ運ぶ。
「これで同点だぁ―――――!!!」
 グレイ、ガッツポーズ。
「次はオレだな・・・。」
 アルムと同じように口元を光らせながら打席へ向かうグレイ。
 しかし・・・。
「ストライ――――クバッターアウッ!!」
 あっさり三振のグレイ。
 笑うに笑えぬグレイベンチだった。
 当然のことながら次の5番バッターバルボもあっさり三振。
「スリーアウト、チェ――――ンジ!!」
 ひげがなくなりさっぱりしたノーマが声高々に叫んだ。
 そして何事もなく試合は9回を向かえる。
「ここで何としてでも点を取らないと・・・。」
 にやりとうなずくクレーベ。
「うぅぅ・・・。隊長がまた良からぬコトを考えている・・・。」
 びくびくと震えるパイソン。
「フッ・・・・・・。」
 とりあえずポーズを決めるフォルス。
 突然クレーベさわやかに笑い、ルカへ向かって手招きをする。
「ル――カ(はーと)ちょっとおいで。」
 とりあえず自分たちに被害はなさそうだとほっとするパイソンとフォルス。
「な・・・なんですか?たいちょう・・・」
 ドーマなんかより倒すべき相手はここにいるのではないかと思いつつ恐る恐るクレーベに近づくルカ。
「フフフ・・・。お色気作戦だ!!この服を着て向こうのチームを誘惑するんだ!!」
 そして取り出したるは原宿コギャル系超ミニスカート。
「・・・。(ただあんたが見たいだけだろ・・・。)」
 思わずその場にいた全員の心は一致団結した。
 それよりあんた、どうやってそんな服手に入れたんだ・・・。
「・・・。(何も言い返す気力がないです・・・。)」
 悲しみをかみしめるルカだった・・・。
 ルカが超ミニをはけと宣言されたことはロビンにとってもショックだった。
「・・・。(まさか自分もはけだなんて言われないよねぇ・・・。)」
 ちらりとグレイを見るとにやりと笑いうなずいている。
「・・・。(まさかね・・・。はははっ・・・。)」
 引きつるロビンだった。
 そうこうしている内にルカは超ミニをはかされてしまった。
「ひ・・・、ひどいですよぉぉ・・・。」
 そしてそのまま打席に押し出される。
「許せルカっ・・・。お前一人でみんなの命が助かるんだ。」
 ルカにミニをはかせたパイソンがつぶやく。
 その言葉にうんうんとうなずくフォルス。
「うわぁぁぁ。わしらにはちと刺激がきついのぉぉ〜〜。」
 ばたばたと倒れるオジンガ―ファイブの面々。
 早速効果現れる。
「オレは・・・。ロビンにしかキョーミ無いんだ――――!!」
 突然暴露するグレイ。
 そして気合の入ったボールを投げる。
 ガックリ肩を落とすロビン。
「ルカの魅力がお前にはわからんのかぁっ―――!!」
 怒るクレーベ。
 ガックリと肩を落としたロビンはボソッと言った。
「ルカさん・・・。いっちゃってください。」
 その言葉に合わせるようにバットを振るルカ。
 とりあえずボールはバットにあたりたかーく上がった。
 ボールはオジンガ―たちの守る外野へ飛んでゆく。
 オジンガーといえばルカを見て倒れてしまっている。
「よーし!!走れルカ!!」
 ベンチから怒鳴るクレーベ。
「なめんなよぉぉぉ――――!!!」
 グレイ、マッハ5を記録。
 見事ボールをダイビングキャッチ!!。
 場内は拍手に包まれる。
「ありがとう!ありがとう!!」
 一人でご機嫌なグレイ。
 いったいどこから拍手が出てきたんだ?謎だ・・・。
「オレが殺ル・・・。」
 ついにグレイとクレーベ、直接対決の決着がつけられる。
 場内がシーンと静まり返る。
 にらみ合う二人。
 長年の夢の対決がついに・・・!!
「リーダーはオレだっ!!!」
 グレイは球を投げた。
「ふん。始めルカが来た時『僕』とか言ってた若ぞうのくせに!!」
 クレーベはその球を打ち返した。
 それにしても言っていることがガキっぽい・・・。
 打球はというとぐんぐんと伸びて場外へ飛んでいくかと思えたそのとき!!
「あ・・・あれは!!」
 いつのまにかティータロボの頭に隠れていたアルムが、
「リーダーは俺だ―――――――――――――――――――!!」
 と、見事にボールをキャッチした。
「ちッ・・・。おいしいところはすべてさらっていくな・・・。アルム・・・。」
 悔しがるグレイ。
「まぁ主人公だからな!!」
 得意げなアルム。
「・・・・・・。」
 卑怯なアルムについにクレーベの怒りは頂点に達した。
 雲が黙々と立ちやがて激しい雨が降り出した。
「中止――――。中止――――。」
 ノーマはさっさと試合を放棄した。
「まだだっ!!まだオレはロビンのミニスカートを見ていない!!」
 一人叫ぶグレイ。
「・・・。(やっぱりなぁ・・・。)」
 グレイを横目でちらりと見ながらあきれるロビン。
 騒ぐグレイを横目にさっさと帰り支度をするオジンガ―諸君。
「おれ・・・。出番無い・・・。」
 突然現れたクリフ。
 最後だけでも登場したいという執念か・・・。
 バッターボックスにはなぜか又カムイが、
「カッコイイゼ・・・。」
 などとほざいている。
「まぁいいじゃん。今回名前さえ出てない人いっぱいいるし。」
 と、シルク談。
「兄さんの怒りをくらって怪我したわけでもないジャーーん。」
 とはクレア談。
「そうかなぁ〜〜。まあいいかぁ〜〜。」
 なよなよと帰るクリフ。
 いつのまにか球場には誰もいなくなった・・・。
 と、思いきや、バッターボックスにカムイが、
「カッコイイゼ・・・。」
 と、たたずんでいた・・・。

                 〜完〜




かなりうちわな内容で理解するには相当のコメントが必要になりそうですね・・・。(苦笑)
とりあえずこの小説、玄海氏と交互に書きました。まぁリレー小説ってヤツですね。 編集時に結構かえちゃった所もあるのですが玄海氏の書いた部分はマジで笑えました。 うちらはこの面白さが分かるんだけど・・・。ノーマルな方には難しいでしょうか・・・。
しかも今更ってかんじの外伝だし・・・。
絶対知らね――!!よね・・・。(フフッ・・・。)
とりあえずは人物紹介と照らし合わせながらご理解くださいませ・・・。本人楽しんで作りました。マジで二人で大爆笑でした・・・。